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治療方針と考え方

鍼には色々な流派があり、また行う鍼灸師のレベルや個性によって患者さんは様々な施術法に出会い、戸惑ってしまうことがあるかもしれません。

当院のように1~5本程度の少数鍼のところもあれば、100本の鍼を刺鍼する先生もいます。どちらが正しいのか?患者さんが納得し病が治るのであれば、それはどちらでもOKだと思います。頂上を目指す道がひとつでないように、治療法にも様々な方法があって然りです。
しかし、どんな方法であっても、その背景に東洋医学の根本原理がなくては、非常に曖昧な対症療法的な鍼で終わってしまうでしょう。

鍼灸には数々の流派がありますが、私は平成4年より北辰会という鍼灸学術団体に所属し、その治療法を学び続けています。北辰会は中医学をベースにしつつも、独自の舌診、脈診、体表観察、空間論、夢分流打鍼術、石坂流や菅沼流など日本古流派も取り入れながら、鍼灸は医学としてより難病を治そうと研究を重ねる臨床実績も高い学派です。
また「素問」「霊枢」「傷寒論」「金匱要略」など古典も重視し、陰陽論や老荘哲学、医易学や内経気象学など、幅広い視点から心と体と魂を癒す医術を追求しています。
具体的な治療法としては少数鍼で治すのが特徴ですが、実は鍼はたくさん刺すよりも少ない鍼で的確な治療をする方が効果が高いという治療経験に基づいています。

私は元々患者として、西洋医学では病名はつかないけれど、不調だらけの自分自身の体を治したい一身から、十九歳の頃に鍼灸治療に出会いました。初めて治療をして頂いたのが、過去に北辰会に在籍した先生であり、鍼灸学生時代の三年間、治療と共に食養生の大切さを教えていただきました。その後師匠となる藤本蓮風先生に治療を継続して頂き、不定愁訴が多く抵抗力のない、精神不安定な体質を改善していただきました。

食べ物や運動など、東洋医学では非常に重視される養生法は、西洋医学には見られないものです。また東洋思想においては、競争社会では報われない人々の魂の救済を、自ら見出すことができました。そんな東洋医学の恩恵を受けた私にとって、この医学で患者さんを治すことは、それを教えて下さった師匠と、東洋医学・鍼灸医学への恩返しだと思っています。

ずっと同じ流派で学び続けていても、治療法は次々と進化していきます。免許を取得して間もない頃は、経験や学問が浅いため誰もが腕が未熟ですが、臨床実践と共に学問を学び続けることで、腕は磨かれていきます。私も今年で臨床25年目を迎えようとしています。昔から手に職をつけたいという願望があり、地道に続けてきたことで少しは人様のお役にたつことが出来るようになったかなと思っております。

鍼灸は繊細な手仕事であり、手から手へ伝えられる職人技です。そこには毎日の修行と鍛錬が欠かせません。脈診や舌診、体表観察など、書物だけでは学びにくいものを、師匠から弟子へ、そして孫弟子へと受け継がれていきます。自分自身が臨床を重ね切磋琢磨することで、より高みに近づいてゆきます。

鍼灸道に終わりはありません。何年たっても学ぶほどに自分の至らなさが見えてきます。けれど、そんな東洋医学・鍼灸医学が私にとって大変面白く、飽きることがありません。今や私の人生にとって、ライフワークとも言える存在になりました。また治療の過程で、患者さんの顔色や表情が明るくなり、心身共に健やかに輝いていく様に触れることは、私の人生にとって大きな宝となっています。

駄洒落好きな師匠の口癖「大和の吊るし柿になるな」=へた(下手)なりに固まるな、という言葉をこれからも胸に刻みつつ、引き続きマイペースに精進していくつもりです。
長くなりましたが最後に、ここまで私を育てていただき、またこれからも育てて下さるだろう一番の師、お越しになられる患者の皆様に、この場を借りて深く敬意を表したいと思います。

名前の由来

柚子をはじめ、柑橘系の香りは体の気をめぐらしリフレッシュする効果があります。
同様に鍼灸治療も、気をめぐらせ、不足の気は補い、余分な気を除去することにより病を治す薬効があります。私の名前「ゆりか」の「ゆ」の文字を使って院名を決めて欲しいとお願いし、師匠に名付けていただきました。

師匠:藤本蓮風先生による書

師匠:藤本蓮風先生による書

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