当院では東洋医学の考え方に基づき、出来るだけ自然妊娠をおすすめしています。
おかげさまで、当院は不妊治療の患者さんが多くいらっしゃいます。鍼灸治療で子供を授かることは、母体が健康になった結果です。治療を行うことで、生理不順や子宮内膜症、冷え性やストレスからくる体の緊張などなど、様々な体の不調を取り除き、母となるための妊娠しやすい体作りをしていきます。また治療だけでなく、妊娠しやすい生活習慣や食べ物、運動などのアドバイスもしており、忠実に実行された方は比較的結果が早く出ています。
西洋医学との併用の患者さんもおられますが、ホルモン剤の副作用が体に影響を及ぼすことも多々あり、排卵誘発をしても良い卵が出来ない場合など、しばらく休憩し、鍼灸で体作りを徹底することをおすすめすることもあります。
また子供というのは授かりものですので、無理に作ろうとするばかりに、夫婦仲までおかしくなり、精神まで病んでしまう方もたくさんおられます。そういった患者さんには、まずご自身が正常な心身を取り戻し、子供に対する過度な執着心をなくすための鍼灸治療を行います。
高齢で時間がなく、どうしても西洋医学と併用したい方は、人工受精を度々行うよりも、体外受精の方が確率が良いように思います。その際も、治療を行うまでに数ヶ月でも鍼灸でしっかりとした体の基盤を作ることが大切です。大体、二回目位までが確率が良く、また良質の凍結卵で移植のみを行う場合は、採卵での体の疲弊が少ないため確率が上がることが多いです。
ある患者さんでは、体外受精で最高の受精卵であったにも関わらず、妊娠できず、西洋医学に見放された方が、当院で自然妊娠し、その後二児の母になられた方もおられました。このことから見ると、必ずしも西洋医学の見解のみで判断できず、着床する母体の側に問題があったことがわかります。この方は三十代半ばでしたが、公務員で非常にストレスがきつく、緊張が強いため、体も硬く、ガチガチでした。鍼灸で心身の緊張を緩めることにより、自然妊娠が可能になったのです。また一人目を自然に産むことで、ホルモンバランスが整い、二人目も自然に授かりました。鍼灸治療で自然に一人出産し、続けて二人目もという、こういった方は結構おられます。
またある方は山口県で遠方だったため、一度だけ来院し、養生法をお教えしたところ、毎日一時間以上歩き、それだけで妊娠されました。この例を見ても、日々の生活の中で、運動をすることが、いかに大切かが分かります。
西洋医学での不妊治療期間が長ければ長いほど、その副作用により弱った体を立て直す時間が長くなります。四十代に入れば、子供どころかホルモン剤の副作用で子宮がんや乳がんなどが発覚する場合もあり、例え妊娠したとしても、母体の安全が保つことが難しくなることもあります。何をやっても妊娠できない場合、それは妊娠しないことで体を守っていると考えてください。妊娠出産は体の余裕がなくては出来ません。体は私達が思う以上に賢く、無理しないように調整してくれているのです。
子供を持ちたいという願望は、多くの女性が一度は持つ夢だと思います。四十代で生むことももちろん可能ですが、やはり子供を望むのであれば、なるべく二十代～三十代のうちに計画し、早めに鍼灸治療を行うことをおすすめします。そうすれば、体の丈夫なお子様に恵まれ、母体も若く元気ですので、出産、育児も楽です。女性が様々な分野で活躍できる時代になりましたが、子供を産むに関しては体の生理は変わらず、今も昔も同じです。そのことを深くご理解頂きたいと思います。Ｈ23.5.5
